コミックマーケットC78 8/13(金・1日目) 東5 パ-46a MURASAMA Factory
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シグルイブレイド第一弾「岩本虎眼」発表後、多くの方々から様々な声を頂きました。
身に余るお褒めの言葉も多く賜りましたが、対戦を重視するプレイヤーの方の一部からは、「強すぎる」という声があったのも事実です。
それはそうでしょう。最初からそのレベルの強さを狙って作ったものなのですから、QBキャラの平均から見て強いのは当然です。ですから虎眼先生の頒布前に何度もHPやブログでそう名言しましたし、シグルイブレイドをお求めになった方の大半にはそれを理解していただいていると思います。
とはいえ、コミケ会場や同人ショップで初めてシグルイブレイドを知った方もいらっしゃるでしょうし、私としてもシグルイブレイドのコンセプトをより多くの方に知ってもらいたい気持ちもありますので、今回は「シグルイブレイドのゲームバランス」と題してお話をさせていいただこうと思います。
あ、長い上に細かい話なので、対戦に興味ない方はスルー推奨でー。
○バランスは取れている
シグルイブレイド作品は、どれも同じ強さになるようにデザインされています。虎眼先生より藤木のほうがわずかに強い(先生を100としたら藤木は105くらい)ように仕上げていますが、ほぼ同じと言っていいでしょう。今後、牛股と伊良子を作成する予定ですが、この二人も大差ない強さにするつもりです。
私としては、シグルイブレイドはシグルイブレイド同士でバランスが取れていることがまず最重要だと考えます。つまりQBとの強さバランスは二次的な問題であり、重要ではないのです。
もちろん実際にはQBのことを考慮していないわけではありません。対戦相手のバリエーションという面から見て、QBを無視することは到底できないことです。
そこで、HPでも当ブログでも何度か述べているように、「シグルイブレイドはQBの最強キャラより少し強い」レベルを目指して作成しました。具体的に言えば、エキドナ、エリナ、ニクス、クローデット、そしてアリス、いんくならば虎眼流と充分まともに渡り合える強さを持っています(流れ星対策は必要ですが)。
実際、岩本虎眼のテストプレイの相手はほとんどエキドナとエリナだけでした――弱いQBキャラクターは最初から眼中になかったのです。ついでにいえば当時は強キャラが少なく、実力の近い対戦相手に事欠くのではないかと心配していましたが、その後QBのほうでパワーインフレが発生したためこの心配は杞憂に終わりました。
では対戦相手としてのQB下位キャラは切り捨ててしまったのかと聞かれれば、その答えは残念ながらイエスです。中位キャラ(メルファやトモエ)なら勝ち目はありますが、下位キャラ(リスティやアイリ)はかなり詰んでいます。しかしこれはそもそもQBシリーズ内でのキャラ性能格差が大きすぎることが原因ですので、シグルイブレイド以前の問題です。
○一刀一殺こそ士の習い
LW(QB)はご存知のようにヒットポイント(HP)制を採用しています。TRPGやカードゲームのみならず、RPG、SLG、アクションなど数多くのコンピューターゲームで採用されていることからも明らかなように、HP制はダメージ量を表すにあたってとても優れたシステムです。
ですが私がシグルイをQBで再現しようとするにあたり、HP制はあまり似つかわしくないと考えました。
もとよりLWは西洋のゲームです。HP制を念頭においてLWの基本思想を見ると、「屈強な戦士が重い鎧を着て長時間殴り合い、やがて力尽きたほうが倒れる」という戦闘イメージが伝わってきます。これは実に中世風ファンタジー的なイメージです。
ところが、日本武士による対決はそのイメージにそぐいません。戦国時代と違って江戸時代の侍は基本的に鎧を身につけず、かつ、刀を常時二本も持ち歩いています。このような無装甲&高火力の侍同士が戦えば「長時間にわたる体力の削りあい」などがあるはずもなく、勝敗は数合のもとにつくでしょう。いわんやシグルイにおいては、登場人物はいずれもが一刀で人体を両断する剣豪ばかり。彼らを前にしてHPもへったくれもありはしません。
そこで私の出した結論は、シグルイブレイドのキャラクターは極端な高火力・低装甲にしようということでした。一撃必殺! これぞ侍の戦い、これぞシグルイではありませんか。とはいえただ単に高火力・低装甲にするとあまりにも簡単に勝負がついてしまい、単なる一発ジャンケンになってしまいます。そこで回避力を高くし、それによって相対的に命中率を下げました。こうして「互いに延々と攻撃をかわしまくるが、もし当たれば一撃で死」というバランスに変更したのです。
大味という面は否定できませんが、それは派手な逆転性の裏返しです。私としては現在のシグルイブレイドの方向性におおむね満足しており、一刀ごとに死の緊張感のつきまとう戦いができていると思っています。
関連:ブシドーブレード(wikipedia)
○虎眼流こそ最強である
そして最後に、重要度としては最低のものではあるのですが、「虎眼流は強くなければならない」という理由も確かにあります。
本来これは、デザイナーとしては大声でいうべきことではありません。ゲームで最も重視されるべきはゲームバランスです。原作ではああだったから、設定ではこうだから、という理由で強さやルールを作成・改変することは、間違いなくゲームバランス崩壊の原因になります。古今、ほとんどのキャラゲーがクソゲーであったことからそれは分かるでしょう。
もちろん原作を軽視していいということではありません。原作の要素を生かさないなら、その原作をゲーム化する理由などどこにもありません。ただし、原作とゲーム性が対立した場合には、ゲーム性のほうを優先しなければ良いゲームにはならないのです。
しかし虎眼流は並の人間の常識を超えた戦闘力を持っていることも確かで、二本指に持った刀で人体を両断したり、石灯籠を切断したりくらいは余裕でやってのけます。あまり無敵の強さにするわけにもいきませんが、逆に平凡な剣士のデータにしても今度はシグルイファンが不満を持つでしょう。その中間の妥協点が、何度も述べている「QBの最強より少し強い」レベルだったのです。
余談ですが、同人誌の企画段階では様々な原作が検討されていました。シグルイの次に有力だったのはセイバー&ライダー(Fate/Stay Night)とカルラ&トウカ(うたわれるもの)で、妄想レベルまで含めるなら月姫、ベルセルク、武装錬金、リリカルなのは、ヘルシング、ジョジョまでも案に出ていました。ですがこれらは「原作通りに作ると強すぎる」=「QBキャラと戦えない」ということで棄却されたのです(他にも理由はありますが)。
むろんデータ上はいくらでも弱く調整できますが、そうしたらしたで、あなたは「ノワとアーカードが互角の戦い」なんてものに納得できますか? そういった意味でもシグルイブレイドの強さは妥当だったと思います。
あれこれ述べてきましたが、結局は私が趣味で勝手に作っているものに過ぎません。クオリティが上がるなら人様の意見も取り入れますし、どんな批判も喜んで承りますが、少なくともシグルイブレイドは完結するまでこのコンセプトを貫くつもりです。
むしろ「ちょwww虎眼先生ツヨスwwwww」と笑って済ませられるくらいの人のほうがシグルイブレイドをより楽しめるのではないでしょうか。
なにせ作っている当人からしてそうなのですから。
身に余るお褒めの言葉も多く賜りましたが、対戦を重視するプレイヤーの方の一部からは、「強すぎる」という声があったのも事実です。
それはそうでしょう。最初からそのレベルの強さを狙って作ったものなのですから、QBキャラの平均から見て強いのは当然です。ですから虎眼先生の頒布前に何度もHPやブログでそう名言しましたし、シグルイブレイドをお求めになった方の大半にはそれを理解していただいていると思います。
とはいえ、コミケ会場や同人ショップで初めてシグルイブレイドを知った方もいらっしゃるでしょうし、私としてもシグルイブレイドのコンセプトをより多くの方に知ってもらいたい気持ちもありますので、今回は「シグルイブレイドのゲームバランス」と題してお話をさせていいただこうと思います。
あ、長い上に細かい話なので、対戦に興味ない方はスルー推奨でー。
○バランスは取れている
シグルイブレイド作品は、どれも同じ強さになるようにデザインされています。虎眼先生より藤木のほうがわずかに強い(先生を100としたら藤木は105くらい)ように仕上げていますが、ほぼ同じと言っていいでしょう。今後、牛股と伊良子を作成する予定ですが、この二人も大差ない強さにするつもりです。
私としては、シグルイブレイドはシグルイブレイド同士でバランスが取れていることがまず最重要だと考えます。つまりQBとの強さバランスは二次的な問題であり、重要ではないのです。
もちろん実際にはQBのことを考慮していないわけではありません。対戦相手のバリエーションという面から見て、QBを無視することは到底できないことです。
そこで、HPでも当ブログでも何度か述べているように、「シグルイブレイドはQBの最強キャラより少し強い」レベルを目指して作成しました。具体的に言えば、エキドナ、エリナ、ニクス、クローデット、そしてアリス、いんくならば虎眼流と充分まともに渡り合える強さを持っています(流れ星対策は必要ですが)。
実際、岩本虎眼のテストプレイの相手はほとんどエキドナとエリナだけでした――弱いQBキャラクターは最初から眼中になかったのです。ついでにいえば当時は強キャラが少なく、実力の近い対戦相手に事欠くのではないかと心配していましたが、その後QBのほうでパワーインフレが発生したためこの心配は杞憂に終わりました。
では対戦相手としてのQB下位キャラは切り捨ててしまったのかと聞かれれば、その答えは残念ながらイエスです。中位キャラ(メルファやトモエ)なら勝ち目はありますが、下位キャラ(リスティやアイリ)はかなり詰んでいます。しかしこれはそもそもQBシリーズ内でのキャラ性能格差が大きすぎることが原因ですので、シグルイブレイド以前の問題です。
○一刀一殺こそ士の習い
LW(QB)はご存知のようにヒットポイント(HP)制を採用しています。TRPGやカードゲームのみならず、RPG、SLG、アクションなど数多くのコンピューターゲームで採用されていることからも明らかなように、HP制はダメージ量を表すにあたってとても優れたシステムです。
ですが私がシグルイをQBで再現しようとするにあたり、HP制はあまり似つかわしくないと考えました。
もとよりLWは西洋のゲームです。HP制を念頭においてLWの基本思想を見ると、「屈強な戦士が重い鎧を着て長時間殴り合い、やがて力尽きたほうが倒れる」という戦闘イメージが伝わってきます。これは実に中世風ファンタジー的なイメージです。
ところが、日本武士による対決はそのイメージにそぐいません。戦国時代と違って江戸時代の侍は基本的に鎧を身につけず、かつ、刀を常時二本も持ち歩いています。このような無装甲&高火力の侍同士が戦えば「長時間にわたる体力の削りあい」などがあるはずもなく、勝敗は数合のもとにつくでしょう。いわんやシグルイにおいては、登場人物はいずれもが一刀で人体を両断する剣豪ばかり。彼らを前にしてHPもへったくれもありはしません。
そこで私の出した結論は、シグルイブレイドのキャラクターは極端な高火力・低装甲にしようということでした。一撃必殺! これぞ侍の戦い、これぞシグルイではありませんか。とはいえただ単に高火力・低装甲にするとあまりにも簡単に勝負がついてしまい、単なる一発ジャンケンになってしまいます。そこで回避力を高くし、それによって相対的に命中率を下げました。こうして「互いに延々と攻撃をかわしまくるが、もし当たれば一撃で死」というバランスに変更したのです。
大味という面は否定できませんが、それは派手な逆転性の裏返しです。私としては現在のシグルイブレイドの方向性におおむね満足しており、一刀ごとに死の緊張感のつきまとう戦いができていると思っています。
関連:ブシドーブレード(wikipedia)
○虎眼流こそ最強である
そして最後に、重要度としては最低のものではあるのですが、「虎眼流は強くなければならない」という理由も確かにあります。
本来これは、デザイナーとしては大声でいうべきことではありません。ゲームで最も重視されるべきはゲームバランスです。原作ではああだったから、設定ではこうだから、という理由で強さやルールを作成・改変することは、間違いなくゲームバランス崩壊の原因になります。古今、ほとんどのキャラゲーがクソゲーであったことからそれは分かるでしょう。
もちろん原作を軽視していいということではありません。原作の要素を生かさないなら、その原作をゲーム化する理由などどこにもありません。ただし、原作とゲーム性が対立した場合には、ゲーム性のほうを優先しなければ良いゲームにはならないのです。
しかし虎眼流は並の人間の常識を超えた戦闘力を持っていることも確かで、二本指に持った刀で人体を両断したり、石灯籠を切断したりくらいは余裕でやってのけます。あまり無敵の強さにするわけにもいきませんが、逆に平凡な剣士のデータにしても今度はシグルイファンが不満を持つでしょう。その中間の妥協点が、何度も述べている「QBの最強より少し強い」レベルだったのです。
余談ですが、同人誌の企画段階では様々な原作が検討されていました。シグルイの次に有力だったのはセイバー&ライダー(Fate/Stay Night)とカルラ&トウカ(うたわれるもの)で、妄想レベルまで含めるなら月姫、ベルセルク、武装錬金、リリカルなのは、ヘルシング、ジョジョまでも案に出ていました。ですがこれらは「原作通りに作ると強すぎる」=「QBキャラと戦えない」ということで棄却されたのです(他にも理由はありますが)。
むろんデータ上はいくらでも弱く調整できますが、そうしたらしたで、あなたは「ノワとアーカードが互角の戦い」なんてものに納得できますか? そういった意味でもシグルイブレイドの強さは妥当だったと思います。
あれこれ述べてきましたが、結局は私が趣味で勝手に作っているものに過ぎません。クオリティが上がるなら人様の意見も取り入れますし、どんな批判も喜んで承りますが、少なくともシグルイブレイドは完結するまでこのコンセプトを貫くつもりです。
むしろ「ちょwww虎眼先生ツヨスwwwww」と笑って済ませられるくらいの人のほうがシグルイブレイドをより楽しめるのではないでしょうか。
なにせ作っている当人からしてそうなのですから。
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